2026年7月末の退職手続きの中で、勤め先の健康保険から「任意継続するかどうか」を確認されました。そこで初めて、退職後の健康保険をどうするか考え始めました。
夫は単身赴任中で、健康保険は協会けんぽです。私はいったん夫の扶養に入りましたが、失業給付を受け取る時期には扶養を外れる見込みです。調べてみると、健康保険と失業給付は別々に考えるのではなく、受給する時期と基本手当日額を一緒に確認する必要がありました。
退職後の健康保険、3つの選択肢
調べてみると、退職後の健康保険には、大きく分けて次の3つの選択肢があります。加入している健康保険が協会けんぽでも、勤め先の健康保険組合でも、基本的な考え方は共通しています。
| 選択肢 | 手続きするところ | 条件・注意点 |
|---|---|---|
| 家族の健康保険の被扶養者になる | 家族の勤務先を通して申請 | 収入などの扶養条件あり |
| 国民健康保険に入る | 住んでいる市区町村の窓口 | 保険料は前年の所得や世帯の状況などで決まる |
| 退職前の健康保険を任意継続する | 加入していた健康保険(協会けんぽ・健康保険組合) | 加入条件あり。多くの場合、退職日の翌日から20日以内に申請 |
※期限や条件の細かいところは、加入している健康保険によって違います。くわしくは、それぞれの窓口で確認してください。
どれが合うかは、保険料だけでなく、扶養に入れる期間、失業給付の予定、手続きの期限を並べて考える必要があります。私は退職直後には失業給付を受け取らない予定だったため、まず夫の扶養に入る方法を選びました。

退職したら自動で夫の扶養に入るわけではなく、こちらから手続きを頼む必要がありました。
私が夫の扶養に入るまでの流れ
私の場合は、夫から勤務先へ扶養追加を依頼してもらいました。身構えていたのですが、実際に聞かれたのは「今後の年収の見込み」だけで、書類の提出は求められませんでした。
- ① 夫から勤務先へ、健康保険の扶養に追加したいと連絡する
- ② 今後の年収の見込みを伝える
- ③ 会社側で手続きを進めてもらう
- ④ 夫が勤務先から「資格情報のお知らせ」を受け取る
- ⑤ マイナポータルで健康保険の資格情報を確認する
私は退職後に働く予定がなく、収入は楽天ROOMのアフィリエイトだけでした。そこで年間の見込みを12万円として、夫に口頭で伝えてもらいました。
手続きが終わったかどうかは、こちらからは見えません。私の場合は、夫が勤務先から「資格情報のお知らせ」を受け取って、それを知らせてくれたことで分かりました。そこでマイナポータルを開いてみると、退職から6日目には、夫の扶養に入ったことがきちんと反映されていました。
ここで分かったのは、扶養の収入要件で見られるのは退職前にいくら稼いでいたかではなく、これからの見込みだということです。私は退職前まで給与を受け取っていましたが、それが理由で扶養に入れないということはありませんでした。
ただし、どこまで書類を求められるかは勤務先や加入している健康保険によって違います。私の場合はたまたま口頭だけで済みましたが、離職票や退職証明書、収入に関する資料を求められることもあるようです。最初に会社の担当者へ必要書類を聞いておくと、行き違いを減らせます。
失業給付の受給中に、扶養から外れる場合
ここが、私がいちばん分かりにくかったところです。失業給付を受け取っている間も扶養のままでいられるかどうかは、1日あたりに受け取る金額(基本手当日額といいます)で決まります。
60歳未満の場合、日額が3,611円以下なら、受け取っている間も扶養のままでいられます。3,612円以上だと、受け取っている間は扶養から外れる手続きが必要になると、日本年金機構で案内されています。3,611円は、扶養に入れる条件の「年収130万円未満」を、1日あたりにした金額です。
つまり、確認したい境目は「3,611円以下か、3,612円以上か」です。給付の総額だけでなく、1日あたりの基本手当日額を見る点に注意が必要でした。年齢やほかの収入、加入先の判断によって扱いが異なることもあるため、この金額だけで決めてしまわないよう注意しました。

「失業給付を受けるかどうか」だけでなく、基本手当の日額を確認することが大切でした。
離職票から出した、基本手当日額の目安
まず、離職票に記載された退職前6か月分の賃金を合計し、180日で割ります。これで「賃金日額」が出ます。
退職前6か月の賃金の合計 ÷ 180日 = 賃金日額
私がいちばん分からなかったのが、この「賃金」がどの金額を指すのかでした。基本給だけなのか、残業代も入るのか、手取り額なのか。厚生労働省のQ&Aで確認したところ、次のように案内されていました。
賃金日額の計算に使う「賃金」とは
- 税金や社会保険料が引かれる前の総支給額です。手取り額ではありません
- 残業代や毎月支払われる手当も含みます(基本給だけではありません)
- 賞与(ボーナス)は含みません
厚生労働省の資料では「離職した日の直前の6か月に毎月決まって支払われた賃金」、Q&Aでは「給与の総支給額(保険料等が控除される前の額。賞与は除きます)」と説明されています。給与明細でいうと、差引支給額ではなく、いちばん上の総支給額のほうを6か月分足すことになります。
私の場合、手取りで計算するものだと思い込んでいたので、額面で計算し直したら金額がかなり変わりました。ここを間違えると、次の表で見る行そのものがずれてしまいます。
次に、この賃金日額を下の表に当てはめると、基本手当日額のおおよその範囲が分かります。厚生労働省の資料(令和8年8月1日から適用)にある、離職時の年齢が45〜59歳の場合の表です。
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,203円以上 5,480円未満 | 80% | 2,562円〜4,383円 |
| 5,480円以上 13,490円以下 | 80%〜50% | 4,384円〜6,745円 |
| 13,490円超 18,220円以下 | 50% | 6,745円〜9,110円 |
| 18,220円超 | — | 9,110円(上限額) |
出典:基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)(厚生労働省)
なお、真ん中の行の「80%〜50%」という幅は、賃金日額が低いほど給付率が高く、高くなるほど50%に近づいていく、という意味です。給付率は上が80%、下が50%と決まっているため、その上限に当たる行、下限に当たる行、その間で少しずつ変わる行、というふうに表が分かれています。
私の賃金日額で表を見ると、いちばん低く見積もっても、基本手当日額は3,611円を超えます。失業給付の受給が始まると、扶養に入ったままではいられない見込みです。
この表を眺めていて分かったのは、3,611円以下におさまるのは、いちばん上の行に当たる方の中でも賃金日額が低めの場合だけだということでした。自分がどの行に入るかを先に見ておくと、扶養を続けられるかどうかの見当がつきます。
なお、この表は離職時の年齢が45〜59歳の場合のもので、年齢区分によって金額が変わります。金額は毎年見直されるため、最新の数字は厚生労働省やハローワークの資料で確認してください。離職票から自分で出せるのはあくまで目安で、正式な金額はハローワークで受給資格が決まったときに確認します。
賃金日額は離職票の数字で決まりますが、基本手当日額は目安にしかなりません。表が毎年8月1日に見直されて、受け取る時期によって当てはまる表が変わるからです。また、真ん中の行は計算式で細かく決まるので、この表からは「この範囲に入る」ということまでしか分かりません。
離職区分と給付制限について確認したこと
私の離職票に書かれていた離職区分は4Dでした。所定給付日数は90日の見込みです。
私は当初、給付制限を約2か月と見込んでいました。少し前に調べたときの情報がそのまま頭に残っていたためです。あらためて厚生労働省の案内を確認したところ、この期間は2025年(令和7年)4月1日に見直されていました。
- 2020年(令和2年)10月1日から …… 原則2か月
- 2025年(令和7年)4月1日から …… 原則1か月
2024年に成立した雇用保険法の改正によるもので、2025年4月1日以降に自己都合で退職した場合は、給付制限が原則1か月に短くなっています。私の退職日は2026年7月末なので、こちらに当てはまります。
ただし、退職日からさかのぼって5年の間に2回以上、正当な理由なく自己都合で退職して受給資格の決定を受けている場合は3か月になるなど、例外もあります。私自身の期間は、申請時にハローワークで確認するつもりです。
数年前に調べた記憶のまま予定を立てていると、受給が始まる時期が1か月ずれます。扶養から抜けるタイミングにも関わるので、退職の前後にもう一度確認しておくと安心です。
失業給付を受け取る間の、国民健康保険への切り替え
私は家族の事情があり、失業給付の手続きはまだしていません。失業給付は、辞めた日の翌日から1年のあいだに受け取れる仕組みなので、すぐに動かなくても大丈夫だと分かったためです。詳しくはこちらの記事にまとめています。
受給を始めていない期間は、今のところ夫の扶養に入ったままです。働ける状況になって受給を始めるときは、夫の会社へ扶養削除を依頼し、その数か月だけ国民健康保険へ切り替える予定です。
失業給付は、仕事を探していることが前提の制度です。そのため「受給が終わったら扶養に戻る」と決めてかかるのではなく、受給中の求職活動の結果、そのときの収入や働き方によって、扶養に戻すのか、働く会社の保険に入るのかをあらためて考えるつもりです。
国民健康保険へ切り替える際は、市区町村の窓口で必要書類を確認します。健康保険の資格を失ったことが分かる証明書などを求められる場合があるため、受給開始日が分かった段階で、夫の会社と市区町村の両方へ早めに連絡するつもりです。

扶養に入る手続きだけで終わりではなく、受給開始と終了の時期にも連絡が必要になりそうです。
手続き前に手元へそろえておきたいもの
- ・ 今後の年収の見込み額(扶養の手続きで最初に聞かれました)
- ・ 離職票(退職日・賃金額・離職区分の確認と、失業給付の手続きに使います)
- ・ 夫の会社から書類を求められた場合は、その案内
- ・ マイナポータルで確認する健康保険の資格情報
- ・ 国民健康保険へ切り替えるときに市区町村から求められる書類
この一覧は私の予定を整理したものです。手続き先によって名称や必要な資料が変わるので、加入している健康保険組合、夫の勤務先、お住まいの地域を管轄するハローワーク、市区町村の国民健康保険窓口で確認してください。
まとめ
退職後の健康保険には、家族の扶養、国民健康保険、任意継続という3つの選択肢があります。私の場合は、給付を受けない期間はいったん夫の扶養に入り、基本手当日額が3,611円を超えるため、受給中だけ国民健康保険へ移る予定です。
手続きを考える順番は、次のように整理すると、私は見通しを持ちやすくなりました。
- ① 退職直後の健康保険の加入先を決める
- ② 離職票で、賃金日額と基本手当日額の目安を見る
- ③ 失業給付の受給開始日が決まったら、扶養と国民健康保険の切り替え時期を確認する
- ④ 受給が終わったら、そのときの状況に応じて、扶養と働き方をあらためて考える
制度は変更されることがあり、同じ退職時期でも年齢や収入、離職の状況で扱いが変わります。この記事は2026年に私が調べ、実際に進めている途中の記録です。ご自身の手続きは、加入している健康保険組合や、お住まいの地域のハローワークで確認してください。
